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このコーナーではスチュワーデス物語の名場面を脚本形式で再現します。 |
チーズの名前を覚える特訓
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羽田・日本航空乗員訓練センター・入口・夜 |
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運転手付の車で訓練センターの入口に乗りつけた新藤真理子
訓練センターから出てくる478期訓練生
運転手にドアを開けさせ車から降りる真理子
真理子に気づき、池田兼子の肩をこづく落合克美 |
池田兼子
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「あー、村沢教官のフィアンセや」 |
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真理子の前に走り頭を下げる克美、兼子 |
池田兼子
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「村沢教官をお迎えにいらっしゃったんですか?」 |
新藤真理子
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「ええ、そう。今日の訓練もう終わったんでしょ?」 |
落合克美
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「いいえ、まだです。教官はね、松本千秋さんとたった二人残って特別に訓練するっておっしゃってました」 |
新藤真理子
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「特別に訓練?」 |
池田兼子
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「はい、夜の教室で、教官と生徒が二人っきり、何の訓練やら気がもめるなぁ。じゃ、失礼いたします」 |
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頭を下げる兼子、克美
上を見上げる真理子
灯りがこうこうとついている478期の教室 |
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同・478期教室 |
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教室で一人チーズの名前と特徴を暗記している松本千秋 |
松本千秋
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「ゴーダ、ゴーダは、オランダの街の名前で、その付近で作られるチーズである。ゴーダの特色は、ゴーダの特色は。ゴーダの特色は。あーもう、私って本当に馬鹿。すぐ忘れるんだから…」 |
松本千秋
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「(OFF)…脂肪分は、エダムより」 |
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カセットデッキを持って教室に入ってくる村沢教官
デッキを教卓に置きテープを再生する村沢 |
テープの声
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「俺は村中で一番 モボだと言われた男 己惚れのぼせて得意顔 東京は銀座へと来た」 |
村沢教官
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「浩は訓練所で一番 すかした嫌味な教官 怒って威張って得意顔 誰が射止めるそのハート ノーノーノー」
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テープを止める村沢 |
村沢教官
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「ははははは、478期の訓練生はいつもこの替え歌で俺を攻撃しているだろ?」 |
松本千秋
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「はい、時々」 |
村沢教官
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「俺も替え歌を作ってきた。ただし、チーズの名前や特色を入れた替え歌だ」 |
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歌詞の書いてある紙を千秋に渡す村沢 |
松本千秋
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「チーズの替え歌?」 |
村沢教官
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「お前は音楽や歌に強いし、そいつを聞くとあがらないでリラックスする。飛行機の飛ぶコースだって通る国々の音楽を聞かせたらすぐ覚えたし、すらすら答えることができただろ?チーズの勉強だってそうだ」 |
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テープのスイッチを入れる村沢 |
村沢教官
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「替え歌にしたら、簡単に覚えられる。さぁ、この替え歌で覚えてみろ」 |
松本千秋
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「お、俺はイギリスで一番」 |
村沢教官
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「うまいと言われるチーズ」 |
松本千秋
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「うぬぼれのぼせて得意顔 JALの飛行機に乗った」 |
村沢教官
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「そもそも俺の形は」 |
松本千秋
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「メロンのような網模様」 |
村沢教官
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「甘くて硬いアオカビチーズ」 |
松本千秋
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「チーズの名前は スティ、スティルトン」 |
松本千秋
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「俺はイギリスで一番…」 |
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同・外 |
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外から6階の478期の教室を見上げる真理子 |
松本千秋
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「(OFF)…うまいと言われるチーズ うぬぼれのぼせて得意顔 JALの飛行機に乗った」 |
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同・478期教室 |
松本千秋
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「そもそも俺の形は メロンのような網模様 甘くて硬いアオカビチーズ チーズの名前はスティルトン」 |
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テープを停める村沢 |
松本千秋
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「教官、替え歌で習ったらチーズの名前や特色、すぐ覚えられるし、絶対に忘れません」 |
村沢教官
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「そいつはよかったな」 |
松本千秋
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「教官、ありがとうございました」 |
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と頭を下げる |
松本千秋
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「ドジの松本の訓練、一歩前に進みました」 |
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再びテープを再生する村沢
踊りだす千秋 |
松本千秋
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「私はスイスで一番 おいしいと言われるチーズ
うぬぼれのぼせて得意顔 JALの飛行機に乗った」 |
村沢教官
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「ははは、覚えがいいぞ。その調子だ。歌も踊りもなかなかうまいじゃないか」 |
松本千秋
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「そもそも私のスタイルグラマーなO型美人
ミルクのように甘いのよ チーズの名前はエメンタール」
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(2005/12/28改)
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