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このコーナーではスチュワーデス物語の名場面を脚本形式で再現します。 |
教官と一緒でないと何も出来ないダメな人間なんです
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パリ・セーヌ川 |
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エッフェル塔が映る |
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字幕・パリ |
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ホテル日航パリが映る |
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ホテル日航・村沢教官の部屋 |
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制服を脱いでいる村沢
電話のベールが鳴る
電話と取る村沢 |
村沢教官
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「Hello」 |
オペレイター
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「C'est un appel de Tokyo. Parlez, s'il vous plaît.」 |
村沢教官
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「もしもし、村沢ですが」 |
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羽田・日本航空乗員訓練センター・訓練課長室 |
柿野訓練課長
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「おう、柿野だ。お前、松本に会ったか?」 |
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ホテル日航・村沢教官の部屋 |
村沢教官
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「ええ、会いましたよ!このホテルへ連れてきました」 |
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羽田・日本航空乗員訓練センター・訓練課長室 |
柿野訓練課長
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「ホテルへ連れてきた?お前、よくぬけぬけと。分かった。お前はもてる男だよ。火山女史の言うとおりモテモテ男だ。だから私生活で他の女と何をしようと俺は何も言わん。目をつぶてってやる」 |
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ホテル日航・村沢教官の部屋 |
村沢教官
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「何を言いたいんです?」 |
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羽田・日本航空乗員訓練センター・訓練課長室 |
柿野訓練課長
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「しかし、松本はいかん。松本千秋はいかん。お前はスチュワーデスを訓練する教官だ。松本は訓練生じゃないか。もし二人でパリのホテルに泊まって深い関係にでもなってみろ」 |
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ホテル日航・村沢教官の部屋 |
村沢教官
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「馬鹿馬鹿しい。とんでもないとり越し苦労ですよ!」 |
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羽田・日本航空乗員訓練センター・訓練課長室 |
柿野訓練課長
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「だまってよく聞け!いいか、スチュワーデスの訓練生はな、19から22、3の娘盛りだ」 |
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訓練課長室の扉を少し開け中をのぞく木下さやか、中島友子、石田信子 |
柿野訓練課長
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「(OFF)恋愛と結婚を夢見て追っかけている連中だ。教官としてはだな…」 |
柿野訓練課長
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「…訓練に訓練。訓練でしごいて男を忘れさせなきゃいかんのだ」 |
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ホテル日航・村沢教官の部屋 |
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私服に着替え終わった村沢 |
村沢教官
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「そうやっていますよ。日頃から」 |
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羽田・日本航空乗員訓練センター・訓練課長室 |
柿野訓練課長
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「つべこべ言うな!いいか、松本千秋をすぐにパリから東京に送り返せ!村沢、約束できるな?」 |
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ホテル日航・村沢教官の部屋 |
村沢教官
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「課長は俺にとっては兄貴みたいなもんだ。反抗はできねぇな。わかりました。約束しますよ」 |
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パリ・セーヌ川沿い |
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手すりに寄りかかる松本千秋
川面を見ている千秋 |
村沢教官
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「(OFF)松本」 |
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後ろを振り返る千秋 |
村沢浩
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「お前パリ行きの切符どうやって手に入れたんだ?」 |
松本千秋
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「あのぉ、さやかさんたちが私に同情して、旅費をカッパしてくれたんです」 |
村沢浩
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「お前は勉強中の訓練生だぞ!」 |
松本千秋
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「はい、よく、わかっています」 |
村沢浩
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「俺には婚約した女がいるんだ」 |
松本千秋
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「はい。それも知っています」 |
村沢浩
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「それでも会いに来たのか?」 |
松本千秋
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「はい」 |
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と村沢の方を向く |
松本千秋
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「教官がいなくなってから私、どうしていいかわからなくて。勉強は全然手につかないし、これじゃぁ、とてもスチュワーデスになれない。どうしても教官に会って、なんとか立ち直ろうと思って。私、教官と一緒でないと何も出来ないダメな人間なんです。どうしたらいいですか?」 |
村沢浩
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「お前は甘ったれだ。情けない奴だよ」 |
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手すりに置いた村沢の腕に抱きつく千秋 |
松本千秋
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「でも仕方ないんです。好きなんです。大好きなんです。教官が」 |
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一瞬、千秋の肩を抱こうとするが、思いとどまる村沢 |
村沢浩
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「松本、折角パリに来たんだ。俺があっちこっち案内してやる。見物しながら教えてやるよ。お前がどうしたら一人で生きていけるか。これがお前の部屋の鍵だ。荷物置いて来い」 |
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ポケットからホテルの鍵を出し千秋に渡す村沢 |
松本千秋
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「はい」 |
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と荷物を持って立ち去る千秋 |
新藤真理子
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「(OFF)浩」 |
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同・ミラボー橋 |
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橋から様子を見ていた新藤真理子
橋の上の真理子のアップが映る |
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同・セーヌ川 |
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川を進む船 |
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同・ミラボー橋・橋の上 |
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寄り添う真理子と村沢 |
新藤真理子
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「あなた、このシャンソンが好きだったわね!”ミラボー橋の下をセーヌ川が流れ、我らの恋が流れる。私は思い出す。悩みの後に楽しみが来ると”」 |
村沢教官
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「”日が去り、月が行き、過ぎた時も、昔の恋も再びかえらない。”俺たちも変わったね」 |
新藤真理子
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「浩。どうしても行きたい所があるの。エックス・アン・プロヴァンスの街よ。覚えてる?」 |
村沢教官
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「エックス・アン・ヴァロバンスの街?パリから遠すぎるよ」 |
新藤真理子
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「あたし、あの街であなたと二人だけで話がしたいの。嫌だと言えば、あの千秋って子と3人、ここで話し合ってもいいのよ。みんな打ち明けてあの子をずたずたにしてやるから」 |
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(2005/12/28改)
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