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脚本 第6話「先生が離れて行く」
このコーナーではスチュワーデス物語の名場面を脚本形式で再現します。

自殺志願の女性を諭す千秋

5
雲の上
飛行するジャンボ機
6
パリ行JAL423便ジャンボ機・キャビン
スチュワーデスと一緒に朝食が乗ったワゴンを引く村沢教官
423便スチュワーデス1
「お客さま、朝食でございます」
村沢教官
「朝食でございます。どうぞ」
村沢教官
「どうぞ」
423便スチュワーデス1
「(OFF)どうぞ」
村沢教官が接近するので毛布に隠れようとする松本千秋
村沢教官
「(OFF)お待たせしました。朝食でございます。どうぞ」
423便スチュワーデス1
「(OFF)お客さま、朝食でございます。どうぞ」
千秋の隣で放心状態で座っている南洋子
村沢教官
「(OFF)朝食でございます。どうぞ」
松本千秋
「あのぉ」
と隣の南洋子に話しかける
南洋子
「何よ?」
と表情を変えずに応える
松本千秋
「私、今とても眠くて食べたくないんです。もしよかったら私の食事も食べてくださいませんか?」
村沢教官
「(OFF)朝食でございます。どうぞ」
423便スチュワーデス1
「(OFF)お客さま、朝食でございます。どうぞ」
南洋子
「いいわよ、私どうせパリに着くまでに死ぬんだもん。この世の食べ納めにさあ、何人分だって食べてやるわよ」
松本千秋
「パリに着くまでに死ぬ?」
村沢教官
「(OFF)朝食でございます。どうぞ」
松本千秋
「どうして」
あわてて毛布をかぶる千秋
423便スチュワーデス1
「お客さま、朝食でございます。どうぞ」
テーブルを出す洋子
423便スチュワーデス1
「(OFF)お待たせしました。朝食でございます」
村沢教官
「朝食でございます。どうぞ」
南洋子
「あぁ、隣の子の分あたし食べるからそこ置いておいて」
村沢教官
「かしこまりました」
村沢教官
「ご気分でも悪いんですか?」
と毛布をかぶった千秋に話かける村沢
南洋子
「やたら眠いんだって、寝かしといたら?」
村沢教官
「はい」
423便スチュワーデス1
「(OFF)お待たせしました。朝食でございます」
村沢が去ったのを見て毛布から顔を出す千秋
松本千秋
「ね、あなた、パリに着くまでに死ぬって言ってたけど本当?」
南洋子
「ええ本当よ。きっと死んでやるから」
とパンをかじる
松本千秋
「どうして死ぬの?」
南洋子
「決まってんじゃない。恋人に振られたのよ」
松本千秋
「恋人に振られた?」
食事サービスをする村沢を見る千秋
423便スチュワーデス1
「お待たせしました。朝食でございます。どうぞ」
村沢教官
「朝食でございます」
女性客1
「あっ、どうも」
松本千秋
「他人事じゃないわ。ねえもっと詳しく話して。私あなたの力になりたい」
南洋子
「あたしの恋人、高校時代からの同級生なんだけどさ、パリの大学に留学してるの。それがここんとこ全然手紙もくれないし、国際電話もかけて来なくなっちゃったの。これは怪しいと思って調べたらさ、彼、フランスの女子大生といい仲になってるっていうじゃない」
南洋子
「冗談じゃないわよ」
とフォークでデザートを主きり突き刺す
南洋子
「折角獲得した恋人を簡単に取られてたまるか」
と一口にフォークに刺したデザートを口に放り込む
松本千秋
「そ、その通りよ」
南洋子
「で、パリに乗り込んで取り戻してやろうと思ってこの飛行機乗ったの」
松本千秋
「じゃあ、どうして死ぬなんて」
南洋子
「だってさあ。そのフランス人の女子大生ってすごい金髪のいかす女でさ、おまけに頭いいんだって。それに比べて私はデブでブスでしょ」
松本千秋
「そ、そんな」
南洋子
「いいのよ、気つかわなくたって。その女とあたしじゃ、パリに乗り込んだって勝負にならないもん。あたしは恋人に追い返されて泣く泣く日本に帰るだけじゃない。だったらパリに行くだけ無駄よ。この飛行機の中で死んじまった方が手っ取り早いでしょ」
二つ目の食事に手を出す洋子
松本千秋
「それは気が短すぎるわ。無茶よ。とにかくパリに行って、恋人に会わなくちゃ。あなたの若さとファイトで体当たりしたら、きっと恋人も目が覚めてあなたの手に戻ってくるわよ」
村沢が接近したので毛布に隠れる千秋
松本千秋
「恋は戦いよ。負け犬になっちゃだめ。押して、押して押しまくったら?私ならそうするけどな。ねぇ、あなた19って言ったわね。私も19なの。例え、相手がすごい美人でも」
7
千秋の空想
村沢にキスする新藤真理子
8
パリ行423便ジャンボ機・キャビン
松本千秋
「ね、お互い若さで頑張らない?」
南洋子
「だめだめ。調子合わせたって。パリで失恋するくらいならこの飛行機の中で死ぬの。死んでやんのよ」
機内のドアが映る
松本千秋
「(OFF)死ぬ死ぬって一体どうやって死ぬのよ」
南洋子
「(OFF)簡単よ」
ドアのアップが映る
南洋子
「(OFF)ほらあそこにドアーがあるでしょ。あのドアー開けて…」
洋子、千秋の座席が映る
南洋子
「…外へ飛び出せばいいのよ」
松本千秋
「ドアを開ける?そんなこと絶対にできないわよ」
南洋子
「どうして?」
松本千秋
「それは、あのドアーには空気の鍵がかかっているの」
南洋子
「空気の鍵?馬鹿なこと言わないでよ」
松本千秋
「いえ、本当よ。確かに本当だと思うけど。ちょっと待って」
バッグの中をあさる千秋
松本千秋
「(OFF)授業で習ったはずなのに。まったく私って覚えが悪いんだから」
テキストを見つけ開く千秋
松本千秋
「あっ、わかった、わかったわ。高度37,000フィートで飛んでいる飛行機の中の気圧は外の気圧よりも4倍も高い」
南洋子
「それがどうしたのよ」
松本千秋
「うん、従って、空気の重しが中からドアにかかっているからどんな力持ち。つまりあなたでもドアは開けられないのよ」
千秋の持っているテキストをつかむ洋子
南洋子
「その本何よ。何であんた飛行機のことに詳しいのよ」
松本千秋
「それは、私って女のくせに飛行機マニアなの」
立ち上がり、千秋を通路へと引っ張ろうとする洋子
松本千秋
「何するのよ」
南洋子
「飛行機マニアならあのドア開けてよ」
松本千秋
「だめよ。どうやったってあのドアーは開かないんだから」
南洋子
「あのハンドルどっちへまわすのよ?右なの、左なの」
松本千秋
「だめよ。ハンドルに触っては」
南洋子
「教えないのね。じゃ一人で開けて外へ飛び出してやる」
と千秋を突き放す
洋子を制止しようとする他の乗客
松本千秋
「だめ」
南洋子
「どいてよ。放してよ」
騒ぎを聞きつけ前方からやってくる村沢、423便スチュワーデス2
ドアの前に立つ村沢
南洋子
「(OFF)放して」
南洋子
「邪魔しないでよ」
ドアへ突進する洋子
他の乗客を制止する423便スチュワーデス1
南洋子
「ドアー開けてよ。あたし飛び降りて死ぬんだから」
村沢に制止される洋子
村沢教官
「馬鹿な真似は止めて正気になりなさい」
南洋子
「ふうーん、あー」
とジャンプシートに倒れ掛かれ号泣する
423便スチュワーデス2
「皆様、あのドアーはどんなことをしても開きません。絶対安全ですからどうぞご安心下さい。さぁ」
と乗客を静める
テキストを手に座席の上に立つ千秋
松本千秋
「お客さま、このジャンボのドアーは絶対に安全です」
千秋を振り返る423便スチュワーデス2
松本千秋
「ドアの厚さは9インチつまり23センチで、ドアの表面は頑丈なアルミニウム合金で覆われていて」
目の前に村沢教官が立っていることに気がつき、あわてて毛布をかぶり隠れる千秋
毛布をめくる村沢
村沢教官
「松本、いつからスチュワーデスになったんだ?ちょっと来い」
9
同・階段
村沢教官
「松本、どうしてこの飛行機に乗ってるんだ?」
松本千秋
「あのぉ、救難訓練の授業が整備のために5日ほど休みになりましたので、それでちょっとパリまで遊びに」
千秋のあごを持つ村沢
村沢教官
「松本、お前は義理のお父さんから家を追い出されてスチュワーデス訓練生の寮に住んでいるんだろ。いわば、貧しいみなしごみたいなもんだ。そんなお前がパリまで遊びに来るとはいったいどういうわけだよ?」
松本千秋
「それは、あのぉ」
村沢教官
「勤務中にお前の相手をしている暇はない。はっきりした説明はパリに着いてから聞こう」
階段を降りて立ち去る村沢
10
パリ・シャルル・ドゴール空港・滑走路
着陸するJAL423便ジャンボ機
11
同・空港への道路
道路上の滑走路をゆっくりと進むジャンボ機
字幕・ドゴール空港
12
同・ロビー
村沢を待っている新藤真理子
ロビーアナウンス
「アビビィ……トウキオ……ジャパナ…
JAL423便クルーが歩いてくる
村沢を見つけ笑顔になるが、後ろに千秋の姿を見つけ不機嫌な表情をする真理子

(2005/12/28改)
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