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このコーナーではスチュワーデス物語の名場面を脚本形式で再現します. |
千秋,あかつき寮へ
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成田・あかつき寮・入り口 |
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成田あかつき寮の看板が映る |
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あかつき寮へ入っていく村沢教官と松本千秋
立ち止まる千秋 |
松本千秋
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「教官、これが成田の寮ですか?」 |
村沢教官
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「そうだ。機上訓練に落第しそうな木下さやかと池田兼子も帰国しているはずだ。さぁ、行こう」 |
松本千秋
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「はい」 |
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と再び歩き出す |
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同・内部・階段 |
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階段を登る村沢、千秋 |
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同・? |
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椅子の上に寝転びぐったりしている木下さやか、池田兼子
それを見つける村沢 |
村沢教官
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「どうした?木下、池田?」 |
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(はっとして飛び起きる、さやか、兼子 |
村沢教官
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「何だ?二人ともぐったりして。俺はな、お前たちの機上訓練の成績が非常に悪いと聞いて、その理由を確かめに来たんだ。お前たちは478期生20名の中でも優秀な訓練生だったのにいったいそれがどうして?」 |
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泣き出し村沢に抱きつくさやか、兼子 |
村沢教官
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「泣いていたんじゃわけがわからないぞ!どうして機上訓練の成績が悪かったのかはっきり理由を言ってみろ」 |
木下さやか
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「教官。同じジャンボに乗った先輩スチュワーデスの仕事が早いこと早いこと。あたしすっかり気をのまれてただ呆然としてしまって」 |
池田兼子
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「そこへ350人のお客さんが次から次へといろいろ注文するんです。あたし、かーっとのぼせ上がって、することなすことヘマばっかり、英語も忘れてしまって、もうめちゃめちゃなんです」 |
木下さやか
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「すっかり自信を無くしたら、口を利く元気もなくなって、機上訓練じゅうずっとだまりこんでたんです」 |
池田兼子
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「あたしも同じ。先輩スチュワーデスの人に何を言われても返事する気力もなくて、ただふらふらふらふらするだけなんです」 |
木下さやか
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「教官。このあたしが、”ねくら”、”ねくら”って言われたんですよぉ」 |
池田兼子
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「あたしなんか何て言われたと思います?”いじけ虫”、”いじけ虫”って言われたんですよ」 |
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驚いて表情を変える千秋 |
村沢教官
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「ははは、木下が”ねくら”で池田が”いじけ虫”か。しかし、お前たちは今盛大に泣いてぺらぺらべらべらよくしゃべってるじゃないか」 |
木下さやか
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「はい。教官の顔を見て泣いた途端、日頃の木下さやかに戻ったんです」 |
池田兼子
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「そうなんです。まるで憑き物が落ちたみたいに、いつもの池田兼子になったんです」 |
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さやかと兼子の肩を持つ村沢 |
村沢教官
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「要するにおまえたちは、スチュワーデスの仕事に対して自信があり過ぎたんだ。その天狗の鼻を先輩のスチュワーデスにぽきんと折られたから、たちまちがたがたっと落ちこんじまったのか?」 |
木下さやか
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「そうです。私たち、思いあがってたからだめんなっちゃったんです」 |
池田兼子
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「教官。あたしら機上訓練に落第して、羽田の訓練センターに戻されるんですか?」 |
村沢教官
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「いや、おまえたち二人はこの松本と一緒に、俺が機上訓練でしごく」 |
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にこにこして、おじぎをする千秋 |
池田兼子
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「千秋、千秋」 |
松本千秋
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「ノロマなカメがやっと羽田から成田まで来ました」 |
木下さやか
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「千秋、機上訓練に進めることになったの?ほんとにおめでとう」 |
池田兼子
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「おめでとう!千秋。やったやんか!」 |
木下さやか
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「やったぜ!チビ!あはは。よーし、こうなったら3人でやるっきゃないよ」 |
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と兼子の肩を持つ |
池田兼子
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「やるっきゃない!」 |
松本千秋
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「やるっきゃない!」 |
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村沢の周りを踊りながら回る千秋、さやか、兼子 |
千秋&さやか&兼子
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「やるっきゃない!やるっきゃない!やるっきゃない!やるっきゃない!やるっきゃない!やるっきゃない!やるっきゃない!やるっきゃない!やるっきゃない!やるっきゃない!やるっきゃない!やるっきゃない!やるっきゃない!やるっきゃない!やるっきゃない!やるっきゃない!やるっきゃない!やるっきゃない!」 |
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腕を組み難しい表情をする村沢 |
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(2005/12/28改)
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