くれない寮-スチュワーデス物語-脚本第21話「恋のゆくえ！！」-私を愛して下さい


このコーナーではスチュワーデス物語の名場面を脚本形式で再現します．

私を愛して下さい
6	羽田・日本航空乗員訓練センター外
	日本航空乗員訓練センターの看板が映る
	478期教室だけ灯りがついている
7	同・478期教室
	英会話の特訓をしている松本千秋と村沢教官
村沢教官	「I want to buy some souvenirs in Tokyo．Can you tell me what is available? you know,something typically Japanese」
松本千秋	「Well the most popular items are lacquer ware,dolls,parls and china ware」
村沢教官	「もっと早く、もっとなめらかに！」
松本千秋	「はい。I'd suggest you go to hotel shopping arcade or big department store．They would be the most convenient for you」
村沢教官	「そうだ、その調子だ。All right．I'll take your advice．thank you」
松本千秋	「Your welcome sir．I hope you'll find something you like」
村沢教官	「よっし。松本、午前9時から午後9時までよく俺の特訓についてきたな。今日はこれで終わりだ。寮に帰って寝ろ」
	帰ろうとしない千秋
村沢教官	「どうした。さっさと帰り仕度をしろ！」
松本千秋	「教官。私、寮に帰りたくないんです」
村沢教官	「帰りたくない？どうして？」
松本千秋	「寮に帰っても友達は一人もいません。私独りぼっちで寂しくて、寂しくて、教官、私、とっても寒い、寒くて凍えそうなんです」
	と村沢のネクタイを掴む
松本千秋	「教官のあったかい大きな胸で私を温めてください。お願いします。教官」
	と村沢に抱きつく
松本千秋	「今夜は教官のマンションに連れていってください。そして、私を愛して、愛してください。お願いです」
	千秋を突き放す村沢
村沢教官	「松本、お前、今自分が何を言っているか分かっているのか？」
松本千秋	「分かっています。松本千秋もう子供じゃありません。大人です。大人なんです」
	と再び村沢に抱きつく
村沢教官	「馬鹿っ！」
	と千秋を座席に突き放す
松本千秋	「教官。教官は私を私を嫌いなんですか？」
村沢教官	「ああ、嫌いだ。今夜のお前は大嫌いだ」
松本千秋	「嫌い？どうしてですか？教官」
村沢教官	「松本。478期20名のうち、お前だけが総合最終試験に落ちてこの訓練センターに取り残された。お前が今どんなに悲しいか、どんなに寂しいか俺にはよく分かる。しかしな、その悲しみや寂しさから逃げるために俺の胸の中に飛び込むとは何だ？とんでもない甘ったれじゃないか！そんな松本千秋は、俺は大っ嫌いだ！」
	座席に座る村沢
村沢教官	「俺の好きな松本千秋は全く別の松本千秋だ。いくら悲しくても辛くっても歯を食いしばって頑張る。転んでも転んでも、すぐまた起き上がってスチュワーデスになる夢を追いかける。ノロマだが、絶対に負けないカメの松本千秋なんだよ。松本目を覚ませ、甘ったれた娘じゃなくてたくましいカメになれ！そして再試験を突破してスチュワーデスになってくれ。お前がひたむきで命懸けの松本千秋に戻ったら俺はいつでもお前を抱いてやる、抱きしめてやるよ」
	と千秋の頭をなでる
村沢教官	「分かったか？松本」
	立ち上がる千秋
松本千秋	「わかりました。松本千秋もう教官に甘えません。愛してくださいなんてそんな馬鹿なこと二度と絶対に言いません。たくましいカメに戻ってきっとスチュワーデスになってみせます」
村沢教官	「松本。本当に一人で頑張って再試験に体当たりできるんだな？」
松本千秋	「はい！必ず合格してみせます」
村沢教官	「それでこそ、いつもの松本千秋。俺のかわいいカメだ」
	と千秋の肩を持つ
村沢教官	「松本、明日の月曜日は新東京国際空港から478期生たちが最初の機上訓練に飛び立っていくぞ。二人で見送って励ましてやろうじゃないか」
松本千秋	「はい」



協力：H．Y．さん (2005/12/28改)

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