くれない寮-スチュワーデス物語-脚本第22話「さよなら！！」-成田へ出迎えに行く柿野訓練課長

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このコーナーではスチュワーデス物語の名場面を脚本形式で再現します．

成田へ出迎えに行く柿野訓練課長
38	羽田・日本航空乗員訓練センター
	訓練センターが映る
	村沢浩の運転する車が走り過ぎる
39	同・訓練課長室
	上着を着る柿野訓練課長ドアをノックする音
柿野訓練課長	「どうぞ」
火山教官	「失礼します」
	と訓練課長室に入る
火山教官	「あらっ、訓練課長。お出かけですか？」
柿野訓練課長	「ああ、ちょっと成田へ行ってくる」
火山教官	「成田へ？どんなご用で？」
柿野訓練課長	「村沢の奴、今日の17時15分、北廻りの416便で成田に帰ってくる。機上訓練に参加した478期の池田、木下、松本も一緒だ」
火山教官	「あー、問題の3人ですね」
柿野訓練課長	「3人とも今度の機上訓練に失敗したら、木下、池田は成田の国際客室乗員部からこの羽田の訓練センターに追い返され、松本にいたっては訓練センターからほっぽり出されて、永久にスチュワーデスになることは出来ないんだ」
火山教官	「そうなったら大変ですわ。課長今までどんな訓練生でも、ちゃんと一人前のスチュワーデスに育ててきたのに、とうとう落ちこぼれ作ることになるんですものね」
柿野訓練課長	「だから、俺が成田へ行って、この目でこの耳で確かめてきたいんだよ！3人が機上訓練に合格したかどうかをな」
	と怒鳴る
火山教官	「村沢教官の478期ってのはやっかいですわ。それに比べて私の479期は優秀ですわ。全員見事に楽々と機上訓練にパスしてるんですもの。やっぱり女の訓練生育てるのは、あたしみたいな女の教官が」
柿野訓練課長	「今は君の自慢話を聞いてる暇はない！」
	と怒鳴る
40	新東京国際空港・到着ロビー
	新東京国際空港の看板が映る
41	同・滑走路
	着陸する416便
42	同・到着ロビー
	到着案内板が映る
ロビーアナウンス	「日本航空416便がただいま18番ゲートに到着いたしました。Japan Air Lines flight 416 now arriving at gate 18」
	登場口から歩いてくる416便のクルー帽子を脱ぎ出迎える柿野
柿野訓練課長	「羽田の訓練センターの柿野です。ご苦労さまです。ご苦労さまです。ご苦労さまです」
	と頭を下げる専任パーサーを見つけ捕まえる柿野
柿野訓練課長	「あぁ、専任パーサー。どうでした？木下、松本、池田、3人の機上訓練の成績は？合格ですか？不合格ですか？どっちなんですか？」
専任パーサー	「3人とも新人としてはよくやりましたよ。多分合格でしょう」
柿野訓練課長	「合格？あの馬鹿どもが。やっ、ありがとうございました。本当にありがとうございました。はー」
	と喜ぶ訓練課長の所へやってくる木下さやか、松本千秋、池田兼子、村沢教官
木下さやか	「訓練課長」
柿野訓練課長	「おう」
木下さやか	「わー、わざわざ成田まで私たち出迎えにいらしたんですか？」
池田兼子	「ずいぶん出世したもんやな。あたしらも」
木下さやか	「わぁー」
松本千秋	「ありがとうございます」
	深々と頭を下げる、千秋、さやか、兼子
柿野訓練課長	「馬鹿野郎！お前たちの機上訓練の成績が心配で羽田からすっとんで来たんだよ。全くお前たちには頭が痛いよ。心配ばっかりかけやがって」
村沢教官	「はははは。兄貴。心配ばかりしているとなぁ、頭の毛がいよいよちりちりになるぞ！」
	吹き出す兼子
柿野訓練課長	「うるさい。村沢、この3人は機上訓練間違い無く合格するんだろうな？」
村沢教官	「ああ。大丈夫だ。先輩スチュワーデスたちの評判もかなりよかったからなぁ」
柿野訓練課長	「それじゃ、このドジでドンな松本もか？」
村沢教官	「もちろんだよ。俺がいつもそばにいて励ましたら、飛行機の中で実に良く働いたよ。兄貴、弟の俺に感謝しろよ！」
	腕を組む村沢
村沢教官	「とうとう落ちこぼれを一人も作らなかったんだからな」
柿野訓練課長	「わかったよ」
478期訓練生	「そーれ。浩は訓練所で一番　イカすと言われる教官　やさしく楽しく勇ましい　誰が射止めるそのハート　私」
	と肩を組んで歌うあっけにとられる柿野



(2005/12/28改)