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脚本 第8話「初めてのキッス」
このコーナーではスチュワーデス物語の名場面を脚本形式で再現します。

真相を確かめに実家へ行く千秋

31
松本千秋の実家近く
大森東避難橋を駆け下りる千秋
実家に駆け込む千秋
松本清治
「わぁ、びっくりさせんな。またサラ金の取立てかと思ったよ。本当に」
松本千秋
「お母さんは?」
松本清治
「ああ、酒の肴買いに行ってるよ」
松本千秋
「ねえ、お父さん、夕べどうしてわざわざ寮まで来たの」
松本清治
「お前の声が聴きたかっただけだよ。ま、例え義理の娘といってもさ、ねぇ5年間も俺が育てたんだからね、かわいいことには変わりがない。そしたらお前の友達がさ、松本さんは村沢教官と二人っきりで毎晩教室にこもってるっていうじゃないか。あいつは有名な女ったらしだからな。俺お前の事が心配でさ夢中になって訓練センターに駆けつけたら、お前が村沢に抱かれてキスされてるじゃないか」
松本千秋
「私のことを心配する?嘘よそんなこと。私が無理矢理お願いしたから教官はこのおでこにキスしただけよ。それなのに私に乱暴したんなんて、教官をクビにするためにでたらめを言っているのね。きっとそうだわ」
松本清治
「馬鹿!俺がどうして村沢をクビにしなきゃならねえんだよ。冗談もいいかげんにしろ」
と千秋の頭をたたく
松本千秋
「どうしてか、私にはわからない、わからないけど、みんなあなたがでっち上げたことよ。そうでしょ」
松本清治
「うるさい。俺がそんな馬鹿なことをするか」
と千秋の顔をビンタする
松本千秋
「お父さん、どうして村沢教官をおとしいれたいの。どうして嘘を言うの」
松本清治の襟元をつかんで白状させようとする千秋
松本清治
「親に向かって、なんてことをしてやがるんだ馬鹿野郎」
松本千秋
「親だったら娘の事を思って本当のことを言ってよ。このままだと村沢教官クビになっちゃうのよ」
松本清治
「あいつがクビになろうと俺の知ったことかあ、この野郎放せ、放せ」
松本千秋
「やだ、絶対に放さないから。本当のこと言うまで絶対放さないから」
松本清治
「うるさい、俺はどうしてもあいつをクビにしなきゃならねえんだよ」
松本千秋
「どうしてもあいつをクビにする。じゃぁ、お父さんやっぱり何かたくらんでるのね。ねえ私と一緒に訓練所行って全部話してよ」
松本清治
「放せ、放せ、放せったら、千秋お前義理の父親になんてことを、おお、俺はなぁ、そんな悪党じゃない。お前それでも娘か?」
千秋を思いきりビンタしはね飛ばす松本清治
玄関に転ぶ千秋
松本千秋
「みんな、お父さんの嘘のために、でたらめに、村沢教官はクビに、私どうしたらいいの、どうしたらいいのかしら。」
32
羽田・海老取川沿い
泣きながら海老取川沿いを歩く千秋

(2005/12/28改)
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