以下は全国紙縮刷版のテレビ欄及びTVガイドから調べた当時の番組です(東京地区).
NHK総合: 歌謡ホール(ただし特番あり)
日本テレビ: 長七郎江戸日記
TBS: スチュワーデス物語
フジテレビ: 火曜ワイドスペシャル(19:30から)(ただし特番あり)
テレビ朝日: 何かとワイド面白地球(ただし特番あり)
当時は,居間に1台,あと別の部屋に小型テレビ1台,合計2台のテレビがあるという家庭が増えてきていたと思われます.居間では親が「歌謡ホール」や「長七郎江戸日記」を見ていて,子供達は別の部屋で「スチュワーデス物語」を見ている・・・こんな光景は多かったのではないでしょうか.
でも,裏番組によっては,兄弟姉妹がチャンネル争いをすることもあり,「スチュワーデス物語」が負けてしまう,こんなこともあったことでしょう.
「スチュワーデス物語」よりも見たい!という番組とはなんだったのか?
それは「火曜ワイドスペシャル」の「ドリフ大爆笑」でした.全22話のうち(総集編を除く),「火曜ワイドスペシャル」にドリフが登場したのは,何と7回!これはほぼ3回に1回の割合です(ただし1回は「ドリフのホノルルマラソン」で,「大爆笑」ではない).
「スチュワーデス物語」の視聴率が前回比下がった(あるいは横ばい)だったことは9回(2,6,9,11,13,14,15,18,20話)ありましたが,そのうち裏番組に「ドリフ大爆笑」があったのは5回.
特にシリーズの前半,83年放映分については,視聴率が下がった(あるいは横ばい)4回全ての裏番組は「ドリフ大爆笑」でした.
「ド,ド,ドリフの大爆笑〜♪」のオープニング,「もしも・・・だったら」のコント,いかりや長介さんの「だめだこりゃ!」の最後の決めゼリフ.知らない人がいないと言っても過言ではない,まさに国民的な大コント番組の前には,さすがの松本千秋も脱帽ということだったのでしょう.
なお,84年年初の「総集編」の効果があってか,12話の視聴率は22.7%へ急回復しましたが,そこからは3話連続してのダウン.2話以上連続して視聴率が下がったのはこの時だけです.しかしこの時は裏に「ドリフの大爆笑」はありませんし,ドリフ以外の強力な番組が続いたわけでもありません.
そうなると,「スチュワーデス物語」のストーリーそのものに視聴率低下の原因がある・・・このように考えるのが自然でしょう.
13話では真理子が村沢に妊娠を告白し,以降の話ではそれに絡んだ真理子の嫌がらせがエスカレートしていきます.「スチュワーデス物語」らしい話の展開ではありますが,たとえば中学生や高校生といった若い視聴者中心に,「妊娠」と「嫌がらせ」という題材を敬遠する人が少なからずいたのかもしれません.
最終回はシリーズ最高の26.8%.この時も裏は「ドリフの大爆笑」だったのですが,多くのファンに支えられ,ドリフとの戦いの中では唯一視聴率をアップして,有終の美を飾ることができました.でも,もし裏にドリフがなかったら,30%の大台を突破することも可能だったかもしれませんね.
投稿:H.Y.さん